名称

  • 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)

神格・性格

市杵島姫命は、 海峡、島々の間にある 通過点を司る女神です。 航海や水上交通の安全を守る神として広く信仰され、 旅の守護移動の安全の神として知られています。

神道においては、 宗像三女神(むなかたさんじょじん)の一柱であり、 田心姫命湍津姫命とともに 重要な役割を担う女神とされています。

神話上の役割

市杵島姫命の役割は、 海上交通路や通過点の守護にあります。 海峡の横断、危険な水域の通行、旅の無事など、 「越える」「渡る」行為そのものを見守る存在です。

そのため、実際の航海だけでなく、 引っ越しや旅立ち、新たな挑戦など、 人生における節目や転換点の守護神としても 信仰されています。

代表的な神話

市杵島姫命は、 田心姫命湍津姫命とともに 宗像三女神を構成します。 これらの女神は、 天照大神須佐之男命に関わる神話の中で誕生し、 九州朝鮮半島を結ぶ 海上ルートの守護神として位置づけられました。

この「道」と「通過」の性格から、 海沿いや交通の要衝において 信仰が大きく広がっていきました。

信仰

市杵島姫命は、 次のような場所や願いと深く結び付いて祀られています。

  • 海、港、島、橋、海峡など水辺の要所

  • 旅や航海の安全祈願

  • 移動や通過に伴う災厄除け

地域によっては、 水と芸能・財福の神である 弁才天(弁財天)と習合し、 島嶼部や水に囲まれた神社で その信仰が発展してきました。

象徴性

市杵島姫命が象徴する水は、 隔てるものであると同時に つなぐものです。 海峡や岸辺といった 危険と隣り合わせの境界領域において、 人々を守り導く存在とされています。

弁才天と結び付くことで、 調和、豊かさ、芸術的霊感といった意味合いが 付加されることもありますが、 その本質は一貫して 道と渡りを守る女神にあります。