<h2>名称</h2>
<ul>
  <li><strong>経津主神</strong>(ふつぬしのかみ)</li>
  <li><strong>Futsunushi no Kami</strong></li>
</ul>

<h2>神格・性格</h2>
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  <strong>経津主神</strong>(ふつぬしのかみ)は、代表的な<strong>武神</strong>の一柱で、
  しばしば<strong>武甕槌神</strong>(たけみかづちのかみ)と並び称されます。
  名に含まれる響きは、刃のような<strong>鋭い力</strong>や<strong>武威</strong>、そして<strong>軍神的な権威</strong>を連想させ、
  「秩序を立て直し、国を鎮める」局面で力を発揮する神として語られます。
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<h2>神話上の役割</h2>
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  経津主神は、<strong>正当な武力によって平定する力</strong>を体現します。
  それは単なる暴力ではなく、均衡・安定・守護のための軍事的な権能として位置づけられます。
  神話の中では、旧来の勢力から新しい秩序へ移行する際の<strong>使者</strong>、そしてその移行を保証する<strong>担保</strong>として働き、
  勝利のみならず<strong>正統性</strong>や、調和を脅かす力を<strong>制御する権威</strong>と結び付けられます。
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<h2>代表的な神話</h2>
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  経津主神は、武甕槌神と同様に<strong>国譲り</strong>(くにゆずり)神話に登場します。
  天つ神側の使者として交渉(あるいは威力の示威)に加わり、地上世界を神代の系譜へ引き渡すための
  使命を帯びた存在として描かれます。
  <br>
  物語上は武甕槌神の対決・圧力の場面が強調されやすい一方で、
  経津主神は「公式の武神団による派遣」という性格を補強し、
  移行と平定が<strong>制度的・正統な任務</strong>として遂行されることを印象づけます。
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<h2>信仰</h2>
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  経津主神は、千葉県の<strong>香取神宮</strong>(かとりじんぐう)を中心に篤く信仰されます。
  祈願の対象としては、たとえば次のようなものが代表的です。
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<ul>
  <li><p>守護と勝利(勝負事、試験、大きな挑戦や計画)</p></li>
  <li><p>移動や危険を伴う行動における安全</p></li>
  <li><p>武道・鍛錬など「型」と「制御」を重んじる分野の上達</p></li>
  <li><p>精神力、継続力、ぶれずに「線を守る」強さ</p></li>
</ul>
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  武甕槌神と経津主神は、武神の世界観において<strong>相補的な二柱</strong>として語られることも多いです。
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<h2>象徴性</h2>
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  経津主神が象徴するのは、<strong>平定</strong>(正統な力によって鎮めること)、規律、そして秩序を支える権威です。
  武甕槌神が「一撃・対決・勝利」といった直接的なイメージを帯びやすいのに対し、
  経津主神は<strong>長期的に秩序を据える</strong>側面、つまり「守り、固め、徹底させる」力として理解されます。
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  端的に言えば、求めるのが<strong>守護</strong>・<strong>堅牢さ</strong>・<strong>長期の統制</strong>であるときに心強い
  「守護者」のエネルギーを象徴する神です。
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